下戸のはずが…50歳過ぎて水島裕さんに訪れた「酒の転機」
ただ、かといって酒が嫌いかというと、そうでもないんですね。むしろ逆でした。
■恐る恐るハイボールを口にしてみると…
ずいぶん昔、テレビ放送される洋画の吹き替えのために、スタジオに入っていたときです。収録の合間に、先輩が後ろポケットからウイスキーを取り出し、スルメをあぶりながら、チビリチビリとやったりするのをとてもうまそうと思って見てました。
かつての人気クイズ番組「連想ゲーム」(NHK)で、ご一緒した同い年の新沼謙治さんは寿司屋のカウンターで刺し身に箸を伸ばしながら、「うめえなあ、本当にうめえなあ」って、お銚子を傾けていた。
檀ふみさんはかわいかったですよ。お酒で頬にほんのりと紅がさし、少女のような顔になったりして。
番組の終わりに誘われて、たまたまカラオケに行ったこともあるけど、十八番の「瀬戸の花嫁」を歌うと、ああ、いいなあ、僕も飲めたらなあって、憧れに近いものを抱いたものです。
ある時、転機が訪れました。大衆酒場のブームもあって、ハイボールを試す機会があったのです。ホントに恐る恐る、少しずつ口に含んでみました。そうしたら不思議なことに火照りも動悸もない。炭酸の泡のプチプチに打たれながら初めて酔い心地というものを知りました。