鬼平犯科帳で"賄い方"演じた沼田爆さん 「普段は食に無頓着」
鬼平がスタートしたのは1989年。レギュラー、スペシャルを含めると放送は26年に及ぶ。沼田さんはレギュラー陣のひとり、同心・村松忠之進の役。台所を預かる「賄い方」という役回りだった。
「ボクの出番は大体、料理のシーンでした。原作者の池波正太郎さんが食通だったので、それをドラマに盛り込み、同心・村松に薀蓄を語らせたわけです。劇中、“猫どの”と呼ばれたのは、池波さんが猫を飼ってたから。料理? ボク自身はまったくしません。食べ物だってもっぱらB級グルメ。食べることに関してはほとんど無頓着です、ハハハ」
撮影は京都・太秦。レギュラー放送の時は、東京と京都の間を行ったり来たりの生活を送った。
「撮影は月4本ですからね。出番が重なれば近くのホテルに泊まり、そうでなければ東京から通う生活でした。ただ忙しくはあったけど、それなりに息抜きもあった。四条河原町の行きつけのバーで、“小房の粂八”の蟹江敬三さん、それから“うさぎ”の尾美としのりさんと3人でよく飲んだもんです。亡くなった蟹江さんはあまり酒をたしなまなかった。いつもニコニコしていた姿が今も忘れられませんね」