“孤高のギタリスト”ソンコ・マージュさん ブレーク拒む理由
セゴビア、ユパンキと2人の世界的なギター奏者に学び、五木寛之、野坂昭如、村上龍、立松和平らの作家から高く評価されたギタリストにしてフォルクローレ奏者のソンコ・マージュさん(80)。それでいてマスコミに登場する機会は少なく、“孤高”というイメージが強い。今どうしているのか。
「取材される前に、ボクには長~い歴史があるから、まずそれを知ってて欲しいんだ」
西荻窪の自宅で会ったソンコ・マージュさん、こう言って1973年10月30日号の週刊プレイボーイを広げた。
「沢田研二、岡林信康と並んで注目のミュージシャンとして取り上げられてるだろう。でも、ボクの音楽は哲学だし、一過性のものじゃないから、歌謡曲やフォークと一緒にして欲しくなかった。で、編集長にボクを扱うのはこれっきりにしてくれって言ったら、“もったいない”ってたまげてたよ。まあ、ボクも若かったんだねえ。最近じゃ昔からボクを知ってるのは五木寛之さんぐらいなもんかな。40年以上の付き合いになる。その頃からいずれ世界的なギタリストになる、とエッセーなんかに書いてくれたけど、ご覧のように頭はハゲても、世界的になったかどうかは、ハハハ」