「付き人のようにそばに」 秋野太作が語る故・渥美清との17年
1966年に二枚目俳優として俳優座でデビューした秋野太作さん(72)。舞台やテレビ、映画、CMと幅広く活躍し、シリアスな演技からコメディーまでこなす実力派だ。尊敬してやまないのが故・渥美清だ。初共演からの17年を振り返ってくれた。
渥美さんがお亡くなりになられたのが1996年の8月4日。早いもので、もう19年になるんですね。
初めて一緒にお仕事したのは私が俳優座に所属して間もない67年のことです。TBSの一話完結ドラマシリーズ「泣いてたまるか」の中の一話で、渥美さんが高校教師、私は詰め襟姿の学生役でした。
あの時はうれしかったですねえ。以前から渥美さんの大ファンで、当時、国産小型自動車が買えるほど高価だった録画ビデオデッキを節約に節約を重ねて購入して「泣いてたまるか」を見ていたくらいでしたから。そのドラマに出演できる、渥美さんと共演できると思うと、まさに夢心地でした。
ところが、舞台とテレビでは、サッカーと野球ぐらい違う。演技が異なるのです。現場でどうやればいいのか迷ってしまい、四苦八苦しました。