「マッドマックス」30年ぶり新作に“シリーズ最高傑作”の評も
先週20日に公開された映画「マッドマックス 怒りのデス・ロード」。30年ぶりのシリーズ最新作とかいわれてもねぇ~と、侮るなかれ。今年3月に古希を迎えたジョージ・ミラー監督、見事な狂い咲きである。
映画批評家の前田有一氏がこう言う。
「今作を見てつくづく感じたのが、同シリーズは主人公の魅力以上に、世界観そのものだということ。世紀末に弱き者たちが無法な暴力や権力に対し、反撃の一手をくらわす冒険活劇は見ている者の心をスカッとさせてくれます。15年もの時をかけ、是が非でも世に出すという監督の執念から生まれたこの作品は、無駄な描写がなく研ぎ澄まされたものに。間違いなくシリーズ最高傑作でしょう」
冒頭から全編、アクションに次ぐアクション。荒廃した近未来の地球を舞台に脱走を企てた片腕の女戦士(シャーリーズ・セロン)率いる5人の美女と、主人公のマックス(トム・ハーディ)が共闘するのだが、何もかもがド派手で過剰。
150台ものおどろおどろしい改造車が疾走し、白塗りの武装集団と銃弾&肉弾戦を繰り広げ、あっという間の120分だ。構想から15年、トラブル続きで製作中断に追い込まれたが、おかげで練りに練られた内容。莫大な製作費をつぎ込み、CGに頼らず、広大な砂漠も車も爆発も本物にこだわったという。