井手麻理子さん変えたカレン・カーペンターの歌との出合い
1999年、ドラマ「危険な関係」(フジテレビ系)の主題歌で、イギリスのユニット“ユーリズミックス”の「There must be an angel」をカバーしてヒットさせた井手麻理子さん(39)。「彼女の歌と出合わなかったら、今の私はない」と語るのは世界的な人気歌手――。
リチャードとカレンのカーペンターズ兄妹。世界的にヒットした「遥かなる影」や「イエスタデイ・ワンス・モア」は誰もが知っている「カーペンターズ」の名曲ですよね。私はある時まで、とくにカレンの素晴らしさをずっと理解しないまま歌ってきました。
もともと、ソウルとかファンクとかブラック・ミュージックが大好きで、21歳のとき、「avex STARGATE AUDITION」でグランプリを受賞。デビューした当時は黒人の素晴らしいパワー、リズム感、声量、アドリブに強く憧れて、黒人シンガーのように歌うことを目指していました。
でも、それってないものねだり。日本人と黒人ではそもそも骨格や体格が違うから、いくらマネしても同じようには歌えない。私ずっと葛藤して強いコンプレックスを抱き続けました。