工夫と努力で1日400杯 おのののか「ビール売り」の極意語る
東京ドームでは、売り子さんはそれぞれ販売エリアが決まっていて、私は一塁側内野席オレンジシートのあたり。年間契約で席を取ってらっしゃる熱心なジャイアンツファンが多いので、まず常連さんに顔と名前を覚えてもらいました。
そのために、帽子の横に目立つ髪飾りを着けたり、汗拭きタオルも球団カラーに。もちろん、私もお客さんの顔や特徴を覚えて積極的にアプローチしましたよ。
例えば、最初に「〇〇さん。お疲れさま。今日も私からだけ買って下さいね」って冗談を入れて挨拶したり、その方が好きな選手の話題を振ったり……。
それと団体の場合、幹事役の方が誰かを見極めることが大切。その方が気に入ってくれると、まとめ買いしていただけるんです。
だから、野球のこともジャイアンツのことも、それにビールの知識も知ってないと話が盛り上がりません。結構勉強しましたね。
それから、ボケとツッコミではないですが、漫才みたいにお客さんとテンポ良く言葉のキャッチボールができると、愛嬌があるね、って買ってもらえます。