トランプ大統領はなぜ教育を攻撃するのか?「教育省解体」の裏側
今月20日、トランプ大統領は「教育省の解体を始める」という大統領令を発した。廃止は予想されてはいたが、それがついに現実となった今、多くの市民が不安を募らせている。
アメリカは日本とは違い、学校で教える内容の多くはそれぞれの州や地方の教育委員会に委ねられている。では教育省は何のために存在しているかというと、主な目的は低所得者や人種的・ジェンダー的マイノリティー、障害者などが平等な教育を受けられるように、資金を提供することだ。同時に公民権法の執行や差別の監視など、教育の公平性を保つための役割も果たしている。さらに低所得者が大学へ通うための奨学金ペルグラントや、授業料を貸し付けるローンも管理している。重要な省庁なのだ。
ではなぜトランプ大統領は教育省を廃止したいのか? それは教育省が仕切るアメリカの公教育が、マイノリティーの権利保護に傾きすぎていると考えているからだ。
トランプ政権は既にDEI(多様性・公平性・包括性)の廃止を強く推し進めている。人種・ジェンダー的マイノリティーの権利保護が、白人や男性への逆差別であり実力主義に反するというのが廃止の理由だ。そのため保守派から見れば教育省も、マイノリティーを優先する「DEI推進機関」ということになる。