銀座でモテモテ 紀里谷監督の最新作「ラスト・ナイツ」の評判
最新作「ラスト・ナイツ」が公開中の紀里谷和明監督(47)。自らが宣伝部長となって「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)など、バラエティー番組に出まくっている。
こんなに気さくでおしゃべりだったっけ? と戸惑う視聴者も多いはずだが、はじめに「宇多田ヒカルの元夫」というイメージを払拭したのは今年8月に出演した「しくじり先生」(テレビ朝日系)。自らを「思ったことを言い過ぎて日本映画界から嫌われちゃった先生」と紹介し、助監督を次々にクビにした過去や映画批評家批判をぶっちゃけたのだ。
番組では、監督デビュー作「CASSHERN」の評価が「映画サイトで100点満点中15点」と酷評を受けた過去を振り返ったが、この「映画サイト」とは本紙でもお馴染みの映画批評家・前田有一氏が運営する「超映画批評」。その前田氏は紀里谷監督のバラエティーでの活躍に「完全に吹っ切れてますね。酷評すらも利用して挽回したいという意気込みは感じられます」と語るも、今回の「ラスト・ナイツ」についての見方は厳しい。
「率直に言って、あんまり面白くない。とても退屈で、上映時間は2時間もないのに、4時間くらいに感じました。『忠臣蔵』が下敷きになってはいますが、結局、何がやりたかったのか、何も味の残らない作品。『CASSHERN』は“キリヤワールド”全開で良くも悪くも個性があったけど、今作はCGも抑えめ。もともとカメラマンだったからなのか、“ひとつひとつの瞬間を完璧に切り取ってとらえたい”というこだわりがつまりすぎて、映像を自然に見ることができない。やたらスローモーションが多いし、モーガン・フリーマンがセリフを言っている間もずっと音楽が流れていて、止められないのか……とウンザリ。メリハリをつけてもっとシンプルに作ればいいのに、と思いましたね。ただ、評価が低くてもオレ流を貫くのが紀里谷監督だと思いますけど」
銀座のクラブ街では、「キリキリ」の愛称で大人気という紀里谷監督。「批判することよりも、作ることの方が100億倍難しい」というのはおっしゃる通りだが、聞き心地のいい黄色い声援を真に受けていたら、次回作もヒットは厳しいか。