絶滅寸前から視聴率も大健闘 TV「時代劇」復権の裏側

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 しかも、この新必殺シリーズ、ここ数年は13~15%。往年の“必殺”ファンが見てるのか、ジャニーズファンが見るのかは疑問だが、この数字は各局を“リバイバル時代劇”へと向かわせる可能性大だ。

 民放の時代劇がバタバタと打ち切られた時期、「伝統を守れ!」とかいって、主に年末年始の特番で徳川家康などを描いていた。だが、良質な時代劇を作るのは容易ではないし、バラエティーに押されて苦戦の連続。大河だってコケる時代になったのだ。

 ここにきて、「必殺」を昔のままの形式(ストーリーの流れ)で作って数字が取れるなら、こんな楽でおいしい商売はない。同じことは各局にいえて、いずれも往年の名コンテンツを持っている。「木枯し紋次郎」「銭形平次」(ともにフジテレビ系)、「江戸を斬る」(TBS系)はじめ名作がたくさんある。それを東山のようなアラフィフ・ハンサム男優で演じてシリーズ化すれば、数字が堅いコンテンツになるのだ。“大人の事情”としては、DVD化すれば、過去の大量の作品もはやりのDVDボックスにして売れる。

 一時は絶滅の危機だった時代劇の新たな時代の幕開けともいえそう。個人的には沢村一樹の「桃太郎侍」はちょっと見てみたい。

(作家・松野大介)

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