嵐・二宮はともかく…ジャニーズだらけだったフジの凋落
年末年始は芸人のネタとか、スポーツ選手のお遊びゲームとか、シリーズドラマのスペシャル版とか、相変わらず「どのチャンネルも同じだね」と言いたくなる中身ばかり。
そんな中、評価を上げたのは日刊ゲンダイ本紙でも取り上げていた年末の「赤めだか」、1月3日の「坊っちゃん」と2つのドラマSPで主役を張った嵐の二宮和也だろう。
二宮はもともと芝居がうまい。夏目漱石の名作「坊っちゃん」では、生徒との確執から打ち解けるまでがストーリーの軸だが、教室で生徒に対し、「謝る気がないなら、謝るな!」という短いセリフでも、声に高低(少しずつ盛り上がっていく)があるし、声質もいい。
「人にも自分にも、嘘をつくのは……まっぴらごめんです!」と松下奈緒に言うシーンは、身長差がちょっと気になったが、セリフ回しはレベルが高い。コミカルな脚本と細切れのカット割りによって「新・坊っちゃん」ともいうべきおもしろいドラマとなっていた。“赤シャツ”役の及川光博をはじめ古田新太、岸部一徳などクセの強い俳優が脇を固めても、主役は食われなかった。