初ドラマ化「沈まぬ太陽」 上川隆也は渡辺謙を超えるか
作家山崎豊子の社会派長編小説「沈まぬ太陽」がWOWOW制作で初のテレビドラマ化だ。
主人公の恩地元役に挑むのは、日本を代表する実力派俳優のひとりである上川隆也(50)。活動の場が舞台中心でまだ世間的には無名だった上川が、同じく山崎原作のドラマ「大地の子」(95年、NHK)で主演に大抜擢され、人気役者としての礎を築いたのは広く知られるところ。
いわば、山崎作品の申し子だが、20日に行われた「連続ドラマW 沈まぬ太陽」完成披露試写会では20年ぶりに挑む山崎作品の主演について神妙な面持ちでこう語った。
「恩地元という男はどこにでもいるような等身大の人物。だからこそ演じていて難しいが、醍醐味を感じる。とても演じ甲斐がある役に巡り合えました」
原作は累計発行部数700万部を超える大ベストセラーにして、数多い山崎作品の中でも唯一テレビドラマ化されていなかった。その理由のひとつは、85年に御巣鷹山で起こった日航機墜落事故をモデルにしているといわれるため航空会社の撮影協力も仰げず、映像化は極めて困難とされていたためだ。09年に渡辺謙(56)主演で映画化された際も各方面に物議を醸し、空港シーンは海外で撮影するなどロケ現場ひとつとっても難航したのだった。