老舗経済誌が落語特集 桂歌丸は「人間国宝」になれるのか
「週刊東洋経済」は「EU離脱」、「プレジデント」は「新しいお金のため方」。老舗経済誌が当然のことながら最新の経済情報を特集しているなか、「週刊ダイヤモンド」が突拍子もない特集をしていて、話題になっている。その名も「落語にハマる!」。ブチ抜き40ページを使っての大特集だ。
それにしてもなんでこの時期に? おそらく最近の「笑点」の話題性に注目してのものだろうが、内容を見ると「現在落語家の数は過去最高の800人」「でも食えるのはホンの一握りで、例えば寄席に9日間出てもギャラは1万円、日当約1000円」など目からウロコの情報が満載。中でも目を引いたのが「歌丸は人間国宝になれる?」という特集。結論からいうと「認定の可能性は低い」とか。
これまで歌舞伎から人間国宝に選ばれたのは24人もいるのに対して、落語から選ばれたのは柳家小さん(1995年)、桂米朝(1996年)、柳家小三治(2014年)の3人だけ。
その理由は2つあって、ひとつはそもそも人間国宝の認定が始まった1950年、落語は保護の対象でなかったこと、もうひとつは双方とも各分類から選出されるが、歌舞伎の場合「立役」「女形」「流派ごと」など複数の分類があるのに対して、落語の場合は「江戸」と「上方」の2つしかない。