名物TVマンが語る<中> 所ジョージは“面白がり方”が天才的
日本テレビ入局以来30年にわたり、ビートたけし、明石家さんま、所ジョージと仕事を共にした名物プロデューサーの吉川圭三氏。ビッグ3と間近で接してきたテレビマンが“凄さ”の理由を解き明かす。
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所ジョージさんと仕事でご一緒するようになったのは所さんが26歳のころ。今62歳の所さんにお会いしても印象が全く変わらないのは、やはり所さんが趣味の世界にいるのが大きいのではないかと思います。それだけでなく、所さんは自分の趣味をブランド化してしまった。自宅を世田谷ベースと命名し、バイクに、農業に日々好きなものに夢中、家が大好きで、車の動線が悪いお台場のスタジオは仕事を引き受けないなど、さまざまなルールがありましたが、そのこだわりが醸し出す雰囲気が「大物殺し」につながっているんじゃないかと僕は思います。
所さんは、ハイレベルなホメ上手で、“面白がり方”が天才的。ホメるのは一瞬、本質を突く一言を発するのでイチコロにしてしまう。たけしさんとの名コンビはもちろん、宮崎駿など、名だたる方が所さんのファンで、「この前、大江健三郎さんにファンだと声をかけられた」と驚きもせずに話す。