故・佐藤公彦さんが語っていた音楽と生活“両立”の難しさ
6月24日に心筋梗塞のため亡くなっていたシンガー・ソングライターのケメこと佐藤公彦さん(享年65)。
1960年代末にフォークグループ「ピピ&コット」でデビュー。ソロに転じてから、中性的なルックスと独特のハイトーンボイスで女性ファンを中心に「フォーク界の貴公子」として絶大な人気を得た。俳優のあおい輝彦とコンビを組んだラジオトーク番組「あおい君と佐藤クン」は高い聴取率を誇り、8年も続く長寿番組となった。
しかし、求められるアイドル性と自分のやりたい音楽とのギャップに悩んだ末に1979年のラストコンサートで活動休止。2009年に出演したNHK・BS2のフォーク番組をきっかけに活動を再開した。翌10年に日刊ゲンダイの連載「あの人は今こうしている」に登場し、吹っ切れたように、こう語っていた。
「去年から今年にかけて3枚のアルバムをリリースしました。活動休止中も曲作りは続けてたから、120曲ぐらいのオリジナルがありまして。2枚目の『ぼくの日』の5曲はウチの家内が作詞し、ボクが曲をつけていて、ほのぼの感が評判いいんです」