患者さんの死に号泣 おかずクラブ・オカリナの看護師時代
合格率90%の試験に落ちた
お笑い芸人になる前の仕事は看護師。そんな“異色の経歴”を持つ「おかずクラブ」のオカリナさん(33)。中学2年生のとき、同居の祖母を脳梗塞で亡くしたことをきっかけに、「身近な家族を助けられるようになりたい」と地元・宮崎県の日南学園高校の看護科に進んだ。学生時代は寮生活を送りながら、病院実習や国家試験の勉強に追われる日々を過ごした。
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高校2年でお笑いの世界を目指しましたが、「病院奨学金」をもらって高校に進学していましたから、卒業後は専門学校に行って、国家試験をパスしてから看護師として3年間働く必要がありました。
卒業後は、国家試験に向けて勉強するために、香川県内の専門学校に進みました。専門学校時代に、先生から「人見知りだから看護師に向いていない」と言われたことがありましたね。そのときは、「何でそんなこと言われなきゃいけないんだろう」と思いましたが、看護師を目指す姿勢に対する甘さを見抜いていたのでしょう。
もともとは「家族のために」というのが動機。母親も看護師で、身近な職業だというのもありましたが、私は人見知りです。“人がすごく好き”とか“人と関わるのが得意”というタイプじゃなかったので、なってからもつらかったですね。初めて会った患者さんや家族には、既往歴や飲んできた薬、家族構成を聞かないといけないのですが、プライバシーに踏み込んだりするのが苦手でしたから。
私には合ってなかった仕事ですが、諦めずに勉強してよかったです。命に向き合う職業だから、今後もなくならない。資格があれば何かあったときに働けます。奨学金も充実しているので、環境に左右されないところも大きい。学校には「親が離婚したから」という人も結構いましたね。
専門学校に入って2年後、国家試験に落ちました。今思えば油断していたんだと思います。学内の成績は上位3分の1くらいに入っていましたし、合格率90%の試験なので落ちるはずがないと思っていました。それなのにクラスで落ちてしまったのは1人だけで。すごく惨めな思いをしましたね。