八千草薫から電話 「私のおならの音、分かりません?」
碓井 八千草さんの倉本ドラマ初主演といえば、TBS系の東芝日曜劇場「おりょう」(71年、制作は中部日本放送)でしょうか。
倉本 あのときだって、本当は「あの人のおならの音が分からないと書けない」って一度断ったんです。ですが、そのあと、八千草さんから電話がかかってきて、「私のおならの音、分かりません?」って言われて、慌てちゃって。
碓井 それはまた凄い。
倉本 そうしたら、八千草さん、ふっとまじめな声になって「でしたら、新珠さんのおならの音も分かりませんでしょう?」って。僕はちょっとドキッとして。この人は、新珠三千代さんに対して嫉妬心を持っているんだっていうのが分かって、それからですね、書けたのは。
(聞き手・碓井広義)