「プレゼントは受け取るべき」という道徳観のギャップ
「サービスをプレゼンしたい」という女の子が奈良から来たことがありました。その子は、僕が運営しているオンラインサロンのメンバーで、ここの特典っていうのは、居酒屋でバッタリ出くわしたら全部酒をおごるというもの。それでわざわざ僕たちが飲んでいる下北沢の店まで来たんです。
当然、一緒に飲もうってなって、「何したいの?」って聞いたら、「いらないものを“いらない”って言える世界をつくりたい」って言ったんですね。それって僕、すごく共感できた。
こんな仕事をしていると、差し入れとか頂くんです。もちろん関係者の方々の差し入れって、すごくうれしいんですよ。だけど、一般の方からの差し入れもありにしちゃうと、例えば、生ものだった場合とかって、処理しきれないんですね。どうなるかといったら、捨てられちゃうんですよ。劇場のゴミ箱とかって、食べ物がむっちゃ捨ててあるんですよ。本当は誰も捨てたくないんですけど、食べきれないし腐ってしまうんで。
僕、食べ物が捨てられるってすごく嫌なんです。だからデビュー当時から一貫して差し入れを断っている。そうすると一部の人は「気持ちなんだから受け取れよ」「好意をむげにするのか」って言うわけです。