「雨の日にいかれちまった」愛車の日産サニークーペ秘話
清志郎は、不遇の時代に手に入れた中古の日産サニークーペを何年も恋人のように愛し続けた。最後は片方のライトがいかれ、鍵もかからない。
♪この雨にやられてエンジンいかれちまった 俺らのポンコツとうとうつぶれちまった
大ヒット曲「雨あがりの夜空に」(1980年、作詞・作曲=忌野清志郎、仲井戸麗市)は、そんな愛車への惜別を歌ったものだ。歌詞は、♪こんな夜におまえに乗れないなんて~と続き、ついに廃車の憂き目に遭う。そして、同じ車をまた買う。
「食べ物も、一度お気に入りになると、何度も同じ店に通っていましたね。その中の一軒が、新中野の『四国屋』さん。手打ちうどんに凝って、ツーリングのメンバーで行ったりしてました。青山のこどもの城(3年前に老朽化で閉館)の近くにとんかつ屋さんがあって、今はビルに変わっていますけど、そこのかつ丼も好きでした。確か、木造2階建ての古い一軒家で、とても小さな店。名前はなんて言ったかなぁ……、そう、三河屋さん。30年くらい前に、野音(日比谷野外音楽堂)の楽屋で、『三河屋に寄ってかつ丼を食べた』って言うんですね。『ライブ前には、かつ!(勝つ)って感じがいいんだよな』って。知る人ぞ知る小さな名店で、ひとりかつ丼を食べているロックスター。今も思い浮かびますね」