歯科インプラントやっていい人ダメな人(3)天然歯より防御機構が劣る
インプラントは治療後のメンテナンスが非常に重要だ。日本口腔インプラント学会専門医・指導医で、神奈川歯科大学短期大学部の林昌二特任教授が言う。
「インプラントは天然歯に比べて防御機構が劣っています。また、天然歯は動くのに対しインプラントは動かない。そのため歯周病や咬合で天然歯が動くと噛み合わせが悪くなり、隙間ができ、残存歯に負担がかかります。天然歯よりも、インプラントは日常的な手入れは念入りに、さらには歯科医院での定期的な手入れが不可欠です。それが難しい人はインプラントが適さない人とも言えます」
日常的な手入れとしては、歯ブラシを小刻みに動かし、歯肉との境目に注意して磨く。インプラント周囲の肉は天然歯よりも細菌に対して弱いので、ゴシゴシ磨かない。
歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシも活用し、歯やインプラントの間、根元など細かいところも磨き残しがないようにする。
歯科医院での手入れは3カ月から半年に1度が一般的だ。歯科医と歯科衛生士によるプロフェッショナルケアで、日常の手入れで行き届かない部分のクリーニングや歯石除去をしてもらうことはもちろん、さらに重要なのは、噛み合わせの確認もしてもらえること。