石井琢朗コーチが三浦監督との《関係悪化説》を払拭、「ピエロ」を演じたCS突破の夜
珍しい出来事だった。
DeNAは、CSファイナルステージで巨人を撃破した10月21日深夜、東京都内のホテルでビールかけを行った。選手、首脳陣らが歓喜に沸く中、三浦大輔監督(50)と石井琢朗チーフ打撃兼走塁コーチ(54)が会場内のプールに飛び込むと、お互い肩を組み、喜びを分かち合ったのだ。
さらに石井コーチは誰にともなく、ジョーク交じりでこう言った。
「ダレだ、あんなこと言ったのは」
球団OBが「『あんなこと』とは、9月にネット記事で報じられた、三浦監督との関係悪化を指摘する記事のことでしょう」と、こう続ける。
「記事は“石井コーチは試合中のベンチで年下の三浦監督と距離を取り、報道陣の前で『アイツ』などと呼ぶこともあったという”などと書いていた。2人は98年日本一メンバー。石井コーチは指導者としての手腕にたけている一方で、時に歯に衣着せぬ発言でチーム内に波紋を起こすことがある。以前の所属チームでは、コーチ会議で投手コーチを批判し、物議を醸したこともある。三浦監督は『調整型』の指揮官で、コーチの意見を積極的に取り入れ、采配、選手起用をする。年上の石井コーチに気を使い、選手は微妙な空気を感じていたのは確か。石井コーチは祝いの場で指揮官に歩み寄り、週刊誌の記事をネタに『ピエロ』を演じたのだろう。これでチームの雰囲気が和んだ面はあったと思う」