NHK大河でなぜ今「明智光秀」なのか 識者からは懸念の声も
東京五輪イヤーのNHK大河ドラマが「麒麟がくる」に決まった。明智光秀(長谷川博己)を主人公に、戦国時代の武将たちを群像劇として描く予定だという。原作はなく、第29作の「太平記」(91年)を書いた池端俊策氏が脚本を執筆する。
とはいえ、光秀にはどうしても「本能寺の変」を起こした裏切り者のイメージがつきまとう。これまで一度も大河の主人公として描かれることがなかったが、なぜ今「明智光秀」なのか。
NHKのホームページには、「従来とはまったく異なる新しい解釈で英雄たちを描く、まさしく『大河新時代』の幕開けともいえる作品」「最新の研究で新たなアプローチがなされ始めている英傑たちの姿を、従来のイメージを覆す新しいキャラクター像として描いていく」とある。
光秀の生涯については謎も多い。本能寺の変についても諸説ある。「麒麟――」では、「私怨により本能寺で信長を討った謀反人のイメージを覆す、勇猛果敢かつ理知的な天才」として描いていくようだ。
「私がこれまでの大河ドラマの中でナンバーワンにしているのは、司馬遼太郎原作の『国盗り物語』。これは斎藤道三が第1部、織田信長が第2部、そして明智光秀が第3部といった構成で、道三を師として弟子である信長と光秀が国取りの野心を継承していくというテーマです。『麒麟――』は光秀単独ですが、脚本が池端俊策さんという歴史をしっかりと描ける人なので大いに期待しています。最近は光秀のいろんな説がありますから、題材としてはあってもいいということでしょう」