SNS離れは投稿の心理戦に疲れてきたことが一因ではないか
炎上という言葉が定着して10年以上、いまだ毎日のように炎上事案が起きている。「キジも鳴かずば打たれまい」と、先人たちは余計な言動を慎むように警句を残したが、むしろ「人の口に戸は立てられない」のが現実なのだ。事実、炎上の研究書が出版され、ネット利用のマナーも何度も紹介されているが、炎上は後を絶たない。
それはひとえに、いつでもどこでもネットに投稿できるスマートフォンと脊髄反射的に投稿できるSNSアプリの普及、ユビキタスに近い環境を実現するネットワークインフラがもたらしたものであり、ある意味で想定外の負の一面である。
最近でも、大阪府北部を震源とする地震に際して、参議院議員で元大阪府知事の太田房江(66)が「(大阪府、市の国土強靱化への対応を)追及するいいチャンス」と、自民党所属の地方議員のSNSにコメントを書き込んで炎上した。現職の大阪府知事、松井一郎(54)が「いい加減にしなさい」とクレームを入れるのも当たり前で、被災直後に災害の政治利用を口走るなど非常識きわまりなく、たとえ筆が滑ったにしても不快に感じる人の方が圧倒的に多いだろう。それが元は地元の首長となれば、なおさらのことだ。