ボクシング連盟に「ロッキー」の崇高な精神を学んで欲しい
ロッキーは貧しいイタリア系移民。一方のアポロは大金をつかんだアメリカンドリームの男だ。貧しい白人VS豊かな黒人という構図の中で、ロッキーは「15ラウンドまで立っていられたら、俺がゴロツキじゃないことを証明できる」とストイックに立ち向かう。
単なるスポ根映画ではなく、人間ドラマだ。全編119分のうち、ロッキーがトレーニングを開始するまで72分もかかっている。人々の生きざまをじっくり描いているから何度見ても飽きない。
問題の「奈良判定」映像を見た後で本作を味わうと感激もひとしおだ。ボクシング連盟に巣くう山根一派はゴロツキから脱しようとするロッキーの崇高な精神に学んで欲しい。山根明は携帯の呼び出し音を「ゴッドファーザー」から「ロッキー」に変えてはどうか。
(森田健司)