著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

公務でもワインの1、2杯くらいいいだろ。バルセロナだぞ

公開日: 更新日:

映画屋殺すのに刃物は要らぬ。雨の三日も降ればいい」は昔のぜいたくな時代の話。今は雨でも嵐でもロケは休めない。先日、千葉にある風変わりなラブホで表が殴り雨で撮れないので、じゃ部屋の中から攻めるかと、くんずほぐれつのカラミを久しぶりに撮った。女優が半裸で色っぽいことをする(例えば、馬乗りになってキスを迫ったり、オッパイを揉まれたりする)。こんな仕事ができて、つくづく良かったよ。

 でも、先日、新聞でバカなニュースを読んで、呆れてひっくり返った。日本の公務員はいつまでこんな窮屈なことに縛られているのか。やっぱり、日本人は世界に永遠になじめない特別な種族たちかと思った。それは北九州市議会が旅先でやったせいで考え直したという陳腐なニュースだ。その市議会は、「今後、議員が国内外で視察する際、日中は飲酒を禁止する」と改めて通知したという。海外出張で昼間から酒を飲んで金髪女を口説き、しっぱたかれて運河に落ちて、レスキュー隊でも出動したかと思って読んでたら、何のこともない。余計に呆れてしまった。

 6月末、自民、公明、ハートフル北九州の3会派の市議8人が子育てやらの事例を見て回るためにスペインなどを訪れ、マドリードとバルセロナの昼ご飯時に、何人かの議員らが、グラスワインを1杯程度飲んだという(1杯程度って何だろ? 飲みきれずに残したのか、その記事も変な書き方をしていたが)。そこで、ワインを飲んでる場を同行した(らしい)テレビ局のカメラが撮影、後で議会に「飲んでましたね」と映像で指摘し、それでバレて、議会は「今後は……日中は飲まない」と決めたという。子供じみた話だ。ご一行はマドリードで美術館、バルセロナでサグラダ・ファミリア教会を見学したとか。広場のレストランでランチにイカスミ料理なんか食って、地元のワインも飲めないまま、オレなんてスペインの空などあおいでいたくもないわ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動