クソまみれシーンのために年代物のバキュームカーを探す
まだまだクソ暑さが続く日本。昆虫採集しようにも、昆虫の数まで減ったとはビックリだ。でも、今、我らはこの灼熱地獄の中、関西の某所で映画ロケ中だ。暑さしのぎにもならないが、ちょっと現場の楽しい話を。
80年代の半ば、小生、「金魂巻」というベストセラー原作で、見かけだけの金持ちと心の貧乏人が代わりばんこに現れる、つまり“心根の卑しい”“意地汚い”“みすぼらしい”やつばかりのけったいなコメディーを撮ったことがある。今や、世界中に広がってしまった「格差社会」の予告編のような珍作だった。貧乏な家に育ったがホカ弁の店長となった主人公の青年(九十九一)が女から、「あんたと何千回、セックスしようと、私はバイト店員と結婚します。愛は回数じゃないから」と厳しいことを言われる。その腹いせにソープランドに行って、おネエさんと一緒に風呂につかり、屁を放って手拭いでそのあぶくをためて遊んでいたら、急に腹がさし込んできて大便まで噴き上がらせてしまい、湯もおネエさんも本人もクソまみれになって店に訴えられる。この恨み晴らさずにいられるかと、今度は糞尿満タンのバキュームカーで乗り込み、ホースでおネエさんのソープ部屋にクソをまき散らす、浅ましい限りの場面があった。