肺がん公表した円楽 真の噺家だと思う理由と若き日の助言
落語家の三遊亭円楽(68)が肺がんであることを公表した後、落語芸術協会の「らくごまつり」に参加し、取材陣の質問に答えた。自覚症状がなかったくらいの初期のがんで、手術を受けて10日ほど、今月半ばには仕事復帰の予定だそうだ。
「(手術後に病院から)出てきた時に暴れてぇんだ。病気の話は勘弁してください」というのも円楽らしい。うん、大丈夫だな、というのが僕の印象だ。なにしろ、あの円楽だ。しぶといのは間違いないし、病気の話などしたくないのは“噺家の性”というものだろう。
とにかく、誰でも笑わせていなけりゃいられないのだ。暗くなりそうな真面目な自分の話なんぞ、いらないってわけ。
そして、円楽は懐が深い人でもある。彼がまだ若手で三遊亭楽太郎を名乗っていた頃、同じ番組でちょくちょく顔を合わせていた。僕がスタジオでしゃべり終えて一息ついていた時だったか、彼が近づいて話しかけてきた。
「城ちゃん、話のキモが終わった時、例えば、笑いがワッと取れた時や、“へぇ~なるほど”とみんなが納得した時は、ウケたからって同じことを繰り返すのはダメだ。いま聞いたよ、とシラけるだろ。そこは『ところが、実は……』と別の話にすると、もっと興味を持って聞いてくれるんだよ」