著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

トランプ大統領よ、あんたはレンコンの味など知らんだろ

公開日: 更新日:

 食欲の秋だ。トランプ大統領よ、あんたは何を食らって政治をしてるんだ? うまいもんの味がほんとに分かっているのか? ビッグバーガーとフライドチキンばっかりじゃないのか。わらじのようなステーキか? 大して味のないボストンのロブスターか? 中国や日本貿易不均衡で脅し外交をやりたいのなら、うまいものを食らってからにしろよ。

 田舎にいると、食いものが断然うまい。地元で取れたものをよばれる(食べる)のは礼儀だし、地産地消、国産国消こそ社会の基本ルールだと思う。ふらりと寿司屋に入ってもすべてがうまくて安い。高くてまずい東京に戻るのがアホらしくなってくる。

 穴が何本もあいてるから「幸先がよく見える」と言われて縁起を担いで正月のおせちにもちゃんと出るのがレンコンだ。カウンターに座るなり、今日のおすすめに書かれた「レンコンの天ぷら」を頼んだ。頼むだけで心が豊かになる。板前さんにやぼを承知で聞くと「もちろん県内の蓮田の泥付きですよ」と言われた。煮た状態でスーパーに並んでる安いのは中国産だ。

 トランプよ、あんたはレンコンの味など知らんだろ。中国との貿易不均衡をただす前に中国産でもいいからちゃんと食ってみてから相手にモノいうことだ。人間、食い物でまず心をつなげてからだろうが。分かんねぇだろうなぁ……(オレは松鶴家千とせか)。アメリカ人は蓮の天ぷらなんて食うわけないか。以前、ニューヨークの寿司屋でタケノコご飯をよばれていたら、隣に座ったにぎり寿司に不向きな付け爪を伸ばした白人女が「それ何?」と聞くので、バンブーライスと言ってやるとしばらくオレを見たままフリーズしていたが。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差