元戦場カメラマン小原玲氏が語る “現場100回”と自己責任論
「今年の6月にヒナを連れたシマエナガの集団を2つ見つけたんです」と目を輝かせる小原さん。シマエナガはヒナが大きくなって巣を離れると人里では見られなくなる。安全な山間部へと移動してしまうからだ。そのため、巣立ち後の撮影は困難を極めるが、最新刊では愛くるしい姿の数々が収められている。ずっと見張っていると、学術書には書かれていない例外に遭遇する機会が多いという。フライデー創刊時から政財界人や芸能人のスキャンダルを撮り続けた“現場100回”のたまもの。撮影期間は17年10月から今年9月、新緑の季節にダンゴ状に連なる“ひなエナガ”と緑のコントラストは美しく、なんとも言えないかわいさでも魅了する。
「ヒナは日の出とともに行動が活発になります。6月の北海道は日の出が早く、朝4時ごろから日没の19時ごろまで長時間の張り込みは、なかなかしんどかった。シマエナガは人間の気配に敏感なので、今回はコンパクトサイズの望遠レンズ付きの小さなカメラを新たに投入、草むらの中に隠して巣を狙いました。カメラの映像はWi―Fiでスマホに飛ばし、僕は20メートル先のベンチでその画面を見守っていました」