元気な昭和を作った田中角栄の伝記なら最高傑作になるかも
作品賞にノミネートされた中で、「ブラック・クランズマン」という、スパイク・リー監督の白人至上主義集団「KKK」に入団する黒人刑事の話も現代アメリカにはもっと刺激的だろうし、「バイス」という題名からして皮肉な、ブッシュ大統領の下で「副」として裏で政府を操っていた悪名高きチェイニー副大統領が主人公の映画まであり、バットマン役のクリスチャン・ベールが20キロも太って演じたというから、笑わせてくれる。
ならば、日本の政治家映画もありかと空想してみた。まっ先に浮かんだのは「数は力、力は金だ」や「私は小学校卒業だ。しかし仕事のコツは分かってる」と豪語した田中角栄だ。40年前のロッキード事件も知らない若者の時代だが、田中首相こそ元気な昭和をつくった代表者だ。この政治屋の伝記は最高傑作になるかもしれない。よっし、明日から画策しよう。彼がアメリカに潰されたのなら、アカデミー外国賞で乗りこんでやるかと夢想した。