「フライデー襲撃」取り調べの真っ最中 後の妻は何を…?
と、要求してみたのだが、残念ながら最後まで取調室にゴリさんも山さんも登場することはなかったのだった。
事実、取り調べは何ひとつとして厳しいことはなく、世間でイメージする取り調べとは違い、全体的に確認作業という感じだった。
さて、場面は文京区音羽2丁目の大塚警察署から直線距離で5キロほどしか離れていない中野区中央2丁目のマンションの一室にいきなりワープするのである。
その朝、そのマンションの一室にひとりの若き20歳の女性が異性のために初めて作ったお弁当を大事に抱え、千葉の稲毛から始発電車に乗り、訪れていた。その女性こそ後に、俺の妻となる初美(旧姓能勢)である。
当然、俺は不在。しかし、玄関のドアに鍵はかかっていないので、部屋に上がり込んだが、待てど暮らせど帰らない。
仕方なく暇つぶしにテレビのスイッチを入れた。するとその途端、画面に映し出されたのは逮捕された俺の顔写真、そして俺の本名「飯塚実」の文字であった……。 (つづく)