「フライデー襲撃」の取り調べ後は大報道陣に取り囲まれ…
うら若き二十歳の女性が初めて作ったお弁当を始発電車で届けに来たら、留守どころかテレビをつけた途端に「フライデー襲撃事件」の現行犯逮捕のひとりとして、実名で報道されていたら、何を思うだろう?
考えられる行動として「ただただ現実のこととして受け入れられずボウ然とするのみ」、あるいは「逮捕されるような男性とこの先の将来を考えられなくなる」。もしかすると中には「ドッキリね!?」と思う女性もいないとは断言できないが、彼女はそれらのどれにも当てはまらない行動をとろうとしていたことを後で知ることになる。
その時、後に妻となる初美が思い浮かべたこと……それは想像しがたい、「逮捕」→「留置」→「空腹」→「食事差し入れ」の図式であり、実際に大塚署にその朝の手作り弁当を届けようとして東奔西走したというのだから、芸人の妻としては100点満点であった(結局、届けることはできなかった)。
さて、話はたけしさんとたけし軍団12人を逮捕した大塚警察署に戻すことにしよう。
朝がスッカリ明けきった時刻には全員の取り調べが終了していた。