「フライデー襲撃」取り調べの真っ最中 後の妻は何を…?
もちろん、俺も他のたけし軍団メンバーと同様に、取り調べを受けていた。
「えー、フライデーの編集部に殴り込むというのは……その、なんていうか、あらかじめ計画を立てていたんですか」
「いえ、深夜にたけしさんの付き人からみんなのところに集合の電話が入ったんですよ!」
「えっ? じゃ電話で集合してそのまま襲撃ってことなの? ちょっと段取りよすぎるよねぇ?」
正直なところ、想像したほどの緊迫感も緊張感もなく、同じような質問を何度となく繰り返しているようで、退屈でさえあったのだ。その退屈さを俺も打破したかったのだろう……。
「刑事さん、机をバーンとかやって襟元あたりをこうグイッと締め上げて、いい加減にすべて吐いちまわねーか!! とか、ホラ『太陽にほえろ!』なら熱血漢の塊のゴリさん(竜雷太)みたいな刑事さんがいて、それを渋く優しい山さん(露口茂)が静かに制して、まあまあゴリさん、我々が熱くなってどうすんだ……。だれだって罪を犯そうと思って犯すわけじゃないだろう……なあ、たまたまその抑え切れない気持ちが変な方に行ってしまっただけなんだろう? そばに君の気持ちをわかってくれる者がいなかったのが不幸だっただけで、なあ……申し訳ないと思っているんだろう、とか。罪を憎んで人を憎まずと説得してくれるとか。そういうなんていうか『動』と『静』みたいなのをやって欲しかったんだけどなあ……」