又吉が新聞連載の緊迫感語る「飛行機のドアが閉まるまで」
お笑い芸人で芥川賞作家の又吉直樹(39)が10日、最新刊「人間」を発売し、出版記念会見を行った。今作は、毎日新聞の夕刊で連載した、又吉初の長編小説。又吉と同年代の男性を主人公に「何者かになりたかった“何者”とは」をひもといていく。
当日イベントを行った書店では、文中の「僕達は人間をやるのが下手だ。」とプリントされたTシャツを書店員さんたちが着用。「お客さん不安にならへんかな」と会場を和ませた。相方で、現在ニューヨーカー(?)の綾部祐二(41)から反応はあったかと問われると「前の作品も僕が書くより長い時間かけて読み切っていたので(完読するには)2、3年かかるでしょうね」と語った。
今回は毎日掲載されるため、日々締め切りに追われる生活に。「9カ月の連載がようやく本になりました。全て書き終えて小分けにするより、連載ならではのライブ感を感じながらやりたいと思っていました。自分もどうなっていくのかわからない“流れ”が生まれても、あえて戻らずに引き受けたおかげで物語が動きました。
今までは集中できる場で書いてきましたが、人間追い込まれればどこでも書けるなと。路上で書いたこともありますし、飛行機に乗るまでに8割書いて『残りはケータイで送ります!』って書いて、飛行機のドアが閉まるまでにスマホで書いて送ったっていうのが最も危なかったですね」と緊迫したエピソードを語った。
小説を書かずにいられなくて書いていたという又吉だが「吉本興業との契約はそのままです。働き方改革は……週に1回何も考えない時間があればいいかと」と欲のないコメント。
又吉センセイは銭金や待遇改善より創作活動が優先のようだ。