80年代は絵空事だったAI殺人ロボットの恐怖を見事に予言
現代ではシュワちゃんのような兵器は「キラーロボット」と呼ばれ、「LAWS(自律型致死兵器システム)」の分野に含まれる。無人攻撃機とは範疇(はんちゅう)が異なり、事前に組まれたプログラムに従って敵の発見、追尾、攻撃、結果の評価など軍事行動のすべてをAI(人工知能)が行うシステム。故ホーキング博士は「AIは自分自身の意思を持ち、私たちと対立するかもしれない」との警告を残している。本作のように人間狩りの戦争に走る可能性もあるのだ。
AIは人間がためらうような残酷な殺し方を平気で実行する。シュワちゃんが女性2人を殺す場面をチェックしたら、それぞれの体に6発の銃弾を撃ち込んでいた。きっちり6発。「事前に組まれたプログラム」による行動なのだろう。
今やロボットがバク転する時代だ。80年代は絵空事に過ぎなかった殺人ロボットが現実になった。近い将来、シュワちゃんがクルド人やロヒンギャを虐殺するかもしれない。
(森田健司/日刊ゲンダイ)