初回の飛び道具に驚き 朝ドラ「エール」制作陣の茶目っ気
新しい朝ドラ「エール」が始まった。モデルは作曲家の古関裕而・金子(きんこ)夫妻。世の中がコロナウイルス禍で沈んでいることもあり、明るい気持ちで見られる作品であってほしいと思うが、どうやら大丈夫そうだ。
注目の第1話で制作陣は「飛び道具」を用意していた。いきなりの紀元前1万年。原始人の男(窪田正孝)と女(二階堂ふみ)が出現する。魚を手に入れた女は喜んで流木をドラムのように叩き、男は踊りだすのだ。
そのあとも試合前に音楽を聴いて集中するテニス選手(二階堂)、失恋の痛みをフォークソングで癒やす若者(窪田)といったコント風の映像が続く。大昔から音楽が人を励ましてきたことを伝えたかったらしい。まさにエール(声援)だ。この初回では、モデルの古関裕而が作曲した入場行進曲が流れる、昭和39年の東京オリンピック開会式当日のエピソードまで見せてくれた。
そして第1週。福島の老舗呉服屋に生まれ育った裕一(石田星空)が、小学校の先生(森山直太朗)の影響もあって音楽に目覚める。両親(唐沢寿明・菊池桃子)はもちろん、裕一の人生に大きく関わる少年たちのキャラクターもしっかりと描き、やがて裕一の妻となる少女・音(清水香帆)まで登場させていた。
第1話で発揮されたちゃめっ気とヤマっ気。第1週のテンポと明るさ。今後の展開も期待大だ。