全国区にこだわらず…山口智充が大切にする「自分」らしさ
この番組でも山口は「テレビだから」という態度は一切取らない。例えば大人気のラーメン屋のロケの際も他の客と同様、行列に並ぶ。30分番組で、ただただ30分順番を待ち、ようやく店に入り、カウンターに座ったところでエンドロールが流れたのだ。
この番組は、山口とプライベートでよく遊んでいたディレクターと作家が「遊んでいるときのぐっさんの面白さを、なんでテレビではそのまま出せていないんだろう?」「自分たちがぐっさんの素の部分を出せるような番組を作ろう」と考えて始まったという(ヤフー「Yahoo!ニュース特集」2020年3月8日)。だからこそ、常に「テレビ的」ではない「素」に近い山口を映し出す。
「そこまでどっぷり自分が芸能人だと思っていないんですよね。プライベートではスタッフとも遊ぶし、一般人の友達も多いですから」(同前)と山口は言う。冒頭の番組でも彼は「『芸人だからこうだ』っていう考えも、僕はちょっと否定したいんです」と主張するのだ。
今や全国区の「テレビ」にこだわらなくても芸人として生きていける。山口にとって大切なのは、いかに「自分」を表現するか、だ。「今まで積み重ねてきたことがいろいろある中で、セルフプロデュースしたものをいかに純度の高い状態で出せるか」(「Yahoo!ニュース特集」=前出)を考えているという。そういう環境がないのなら、綱渡りしながらテレビに出続ける必要はない、と。
「ぐっさんを見てほしい人なんですよ。めっちゃ自分が好きやから」(「ダウンタウンなう」=前出)