著者のコラム一覧
板坂康弘作家

東京都出身。週刊誌ライターを経て、阿佐田哲也、小島武夫が結成した「麻雀新撰組」に加わり、1972年創刊「近代麻雀」の初代編集長。小説CLUB新人賞を受賞して作家デビュー、著書多数、競輪評論でも活躍。

<7>「聴牌までが手作りではない」の教え そこからひと工夫

公開日: 更新日:

 第11期麻雀名人戦(「週刊大衆」主催)で、阿佐田さんは予選を突破、決勝七番勝負に進出した。その4回戦東2局、阿佐田さんは北家で摸打5巡目で聴牌した。

「三萬」「四萬」「五萬」「六萬」「七萬」「八萬」「三筒」「四筒」「五筒」「七筒」「七筒」「三索」「五索」 ドラ「七索」

 タンヤオ三色同順、阿佐田さんの得意手だ。

「三筒」「一萬」「三筒」「六萬」「東」「四筒」「七索」「六筒」

 捨て牌がこれ。5巡目「東」切りのとき聴牌。7巡目にドラ「七索」をツモ切った。

 読みづらい捨て牌相。ドラまで切ったのだからリーチもありそう。だが、阿佐田さんは黙聴で栄和した。

 実は東1局、他家が門前清一色、三暗刻の倍満という超ド級の和了を決めていた。点数的には断トツに離れたラスがいて、阿佐田さんと、もう一人が原点である。ここは確実にひとつ和了して、2位浮上を狙うのが賢明な判断だ。

 それにリーチだと、点数的にオリる意味があまりないトップ者とラス者が向かってくるだろう。乱戦に巻き込まれるのは避けたい。

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