ドラマも新様式が随所に 懸念はマスク慣れ視聴者の違和感
「今後はビルの屋上でのドラマ撮影が増えるかもしれません」と、制作会社関係者はこう続ける。
「天候には左右されますが、吹きっさらしの屋上なら“3密”も避けられますし、2、3人の会話のシーンなら、絵面としてもそれほど違和感がないですからね。実際、現在放送中の連ドラ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ)にも、屋上での会話シーンがちょいちょい出てきます」
新型コロナ禍中でバッシングを浴びた「報道ステーション」(テレビ朝日)の例もある。万が一にも出演者、スタッフの“クラスター”を起こすわけにはいかない。
最後に“崖”がお約束の2時間ドラマには好都合かもしれないが、いずれにせよ、再スタートしている撮影現場にも“新しいドラマ様式”が広がっているようだ。
「ただ最近、同業者同士で話題になるんですが……」と、テレビ誌ライターはこう話す。
「劇中の日常風景をどう撮るか、についてです。実生活では今後しばらく、大半の人がマスクを着用し続けるでしょうし、飲食店の“ソーシャルディスタンス”も当たり前になる。それをそのままドラマで再現しても絵にはなりづらいですが、マスクに慣れてしまった視聴者が、誰もマスクをしていないシーンに違和感を覚える可能性は考えられる。〈マスクはどうしたの?〉〈いつの時代の話?〉なんて難癖をつける人が出てくるかもしれません」