古館伊知郎の発言が物議 芸能人がハマる“飲尿療法”の効能
飲尿療法は、1990年「奇跡が起きる尿療法」(中尾良一編・マキノ出版)が出版され話題となった。古舘が説明していたように「自分の尿には体の悪い部分を治す成分が含まれており、飲むことでどんな病気も治る」とされていた。そのインパクトの強さから当時はワイドショーなどでも取り上げられ、著名人にも実践者がいた。「ちびまる子ちゃん」で有名な漫画家のさくらももこは、自書「さるのこしかけ」(92年)の中で、飲尿療法を実践していることを告白。「体調がよくなった」と書いていた。スポーツ紙芸能デスクが語る。
「プロレスラーのアントニオ猪木も糖尿病の治療のために一時期、飲尿療法をやっていたようです。同じく森繁久弥も高齢になってから始め、それで寿命が延びたそうです。なんでも尿は血と同じ成分なので、栄養たっぷりとかで、東南アジアやインディアンの世界にも古くから飲尿療法はあり、当時、取材しましたね」
しかしながら、その効果に関しては疑問符も付く。三菱UFJニコス株式会社診療所の統括産業医で、日本内科学会総合内科専門医の中野里美医師は「飲尿療法は民間療法の一つで、さまざまな体験談がありますが、臨床試験を経たエビデンスがあるわけではないので、体に良いという医学的、科学的な根拠は判明していません」としたうえでこう話す。
「尿は98%の水分のほか、尿素、アンモニア、その他の電解質といった成分で構成されています。また、脳梗塞などの原因となる血栓を溶かす酵素(ウロキナーゼ)や、貧血の治療薬として利用される増血ホルモン(エリスロポエチン)などの貴重な成分がごく少量含まれています。だからといって自分の尿を飲んでも、これらを薬で摂取するのと同じ効果を期待できるわけではありません。個人的にはオススメしない健康法です」
“イワシの頭も信心から”というが、案外と実践している芸能人は多そうだ。