著者のコラム一覧
平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

司会は下北沢の安アパート暮らしの坂崎幸之助だった

公開日: 更新日:

 1975年に下北沢ロフトがオープン。32歳にして都内に3軒のライブハウスを経営することになり、とにかく興奮の日々だった。全国の新進気鋭のバンドが、若さのほとばしる音源をとったカセットテープを送ってきた。「今日のバンドはどんな音を出すのだろう?」「西荻窪、荻窪、下北沢……今晩はどの店に顔を出そうかな?」。贅沢な悩みを抱えていた。あの頃、入れたてのコーヒーの湯気の向こうに<新しいロックの時代>が見えたような気がしていた――。

 1979年9月1、2日に「第1回下北沢音楽祭」が行われた。

「音楽の街としてさらに飛躍しよう」と地元のロックバー「アダムス・アップル」、ロック居酒屋「ペーパー・ムーン」、ロック喫茶「独」、ジャズバー「レディ・ジェーン」にシモキタ・ロフトを加えた5店舗の共同開催として野外コンサートを計画した。本多劇場の建設予定地にスペースがある! ダメもとで頼んでみた。<ほぼ無償での貸し出し>を快諾していただいた。各店舗の若手たちを動員してステージを組んだ。メディアやレコード会社に金銭を含めた支援は頼まなかった。ターミナル駅近くで野外コンサート。入場料は2日通し券で2000円。すべてが画期的だった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」