「知ってるワイフ」が描く子育て夫婦のリアル 続々と共感
2回目の14日の放送は、過去にタイムスリップした夫が、大学時代の後輩と結婚し、180度違う人生を歩んでいるとこからスタートする。目の前には、お嬢様育ちの美人妻、ゆっくりとした時間が流れる朝食、高級外車にラグジュアリーな家。まさに、幸せを手にいれたような生活だったが、次第に新しい妻との生活にも陰りが見え始める。
しかし、ひょんなことから、再び最初の妻(広瀬)と出会う。育児から解放された広瀬は生き生きと仕事をこなす女性に生まれ変わっていた。そんな広瀬を見て、良さを再確認しはじめる夫であったが……。
■夫婦の生活の描き方がリアルそのもの
実際には人は過去に戻ることはできないし、人生を最初からやり直すこともできない。その点でファンタジードラマではあるものの、ディテールにおいて結婚した男女の現実を見事に描いている。夫を大切にしたい気持ちがあっても、子を持つ母親は現実的に生活を回していかなければならない。正直、夫にかける時間も余裕もない。「知ってるワイフ」はそれらを丁寧に描きつつ、可能性を含めた本来の女性として輝く妻の部分にも触れたことで、「育児がなければもっと優しくなれる」「余裕がないと夫をねぎらうのは難しい」「結局、誰と結婚しようが、子供ができたら一緒」などと女性の共感をさらに呼んでいるのだろう。
もちろん、夫側にもいろいろ言い分はあるはず。それでも夫に見せたいドラマだと思った。
(文=松庭直/ライター)