オール阪神・巨人 出番が遅れ…新喜劇超える50分の大熱演
コンビ結成46年目を迎えられた阪神・巨人さん。私は8年目からそのほとんどのテレビ用台本を書かせていただいています。もう20年以上も前のことですが、劇場で遭遇したお2人の「神対応」を思い出しました。
平日のなんばグランド花月(NGK)は2回公演でプログラムは、前半が漫才・落語、後半が新喜劇。その日の阪神・巨人さんは出番の間に営業が入っていて、1回目がトップ出番、2回目が新喜劇終わり出番という超変則。普通なら代演が立つのですが人気絶頂、大看板の阪神・巨人さんということで、代演は立てず営業の帰りを待つという“ギャンブル出番”になっていました。打ち合わせでNGKにいた私は何事も起こらないことを願いつつ、舞台袖から新喜劇を見ながらお2人を待っていました。
新喜劇が終わる直前か、終わった直後だったか「阪神・巨人さんが楽屋に入られました」という連絡が舞台袖に入り、スタッフはホッとひと安心。私が楽屋へ行くと、巨人さんが衣装に着替えながら支配人に「僕らは仕事やからスケジュール通りに動くし舞台もやらせてもらうけど、もし事故とかトラブルがあって劇場へ帰って来られへんかったらどうすんのん? わざわざ新喜劇終わりに出番組んで『阪神・巨人は休演になります』いうことになったら待ってくれてはるお客さんに失礼ちゃう? この出番の組み方は違うと思うよ」と穏やかな口調ながら、筋の通らないことには厳しい巨人さんの言葉に身が引き締まります。