懸念が一転!眞栄田郷敦の高校生役がハマった痛快コミカル劇「プロミス・シンデレラ」
■ヒロインの正直さと強さが、痛快感を生む
そもそものストーリーは、もしそれが現実なら悲惨に尽きる。不倫をした夫に一方的に離婚したいと告げられ、家を飛び出した主人公の早梅(演:二階堂ふみ)は、勤めていたパートをクビになり、全財産の30万円が入った鞄を盗まれ、無一文の宿無し無職になってしまう。そんな早梅に目をつけた老舗旅館の御曹司の男子高校生・壱成(眞栄田)は、早梅に金と人生をかけた“リアル人生ゲーム”を持ちかけるという始まりだ。
これが悲壮感たっぷりにならず、痛快でコミカルな展開になっているのは、少々のことではへこたれない芯の強さが早梅の根底にあるからだ。どんな時でも早梅は決して諦めず、自分に言い訳をしない。正直に真っ直ぐに、良いことは良い、悪いことは悪いと言える強さを持っている。そんな彼女の言動はとにかく痛快の一言に尽きる。
初回で壱成に言い寄るお嬢様モデルのめぐみに対し「自意識過剰でたいして売れてもねぇ三流モデルなんか相手にするかよ」と言い放った壱成の顔を、早梅はケーキに埋めて「やりすぎ! もう少し人の気持ちってもんを考えなさいよアンタは!」と叱る。一方、壱成のコンプレックスをえぐるような言葉を並べためぐみに対しても、早梅はケーキを顔に投げ「他人が勝手に“落ちこぼれ”呼ばわりしていい権利なんてないの! 22歳になってもそんなことも分かんないの? 歳だけとってどうすんの!」と、壱成同様に叱りつけた。