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児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

「五輪どころではない」スポーツ大国の韓国にも影を落とすコロナ感染者の急増

公開日: 更新日:

■「スポーツでメシが食えるか」の時代

 当時の韓国といえば、まだ「スポーツでメシが食えるか」と考えられていた時代。肉体的な活動を良しとしない儒教の影響もあり、スポーツに対する偏見もあった。ところが66年、ソウルの外れに「泰陵(テルン)選手村」を建設。この大規模なトレーニングセンターにはグラウンドや体育館はもちろん、500人もの選手を収容できる合宿所など24棟の建物も並ぶ。世界にも類を見ない規模といわれるが、国家予算で運営されているので、代表選手たちは費用の心配をする必要がない。

 さらに、素質のある選手はスポーツ特待生として大学に進学できるようにし、メダリストの年金制度も充実させていく。こうしたシステムが功を奏して韓国はスポーツ強国となった。

 とはいえ、今回ばかりは金メダルを期待する声は聞かれない。選手村での感染対策が不十分という報道もあったせいか、選手の集団感染を心配する人もいる。友人は「金メダルはどうでもいいから、日本で感染することなく無事に帰国してほしい」と漏らした。まるで子供を戦場に送り出した肉親のような口ぶりだった。

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