金メダリストのCM起用はイメージダウンに? 広告業界が嘆く「五輪ブランド」終わりの始まり
東京五輪でのメダルラッシュで支持率回復をと狙ったスガ内閣の思惑外れと同様、広告業界もメダリストでひと儲けとはいかず、頭を抱えているようだ。ある大手代理店出身の広告プロデューサーが言う。
「日本人選手の活躍は素晴らしかったけど、感染した人のことを考えると、手放しに喜べない。五輪を今の東京でやったこと自体、やっぱり間違っていたのではないかというのが正直な国民感情でしょう。そうしたなか、大会終了後にここぞとばかりにメダリストを担いで、プロモーションをするという協賛企業のいつものやり方は通じないとの見通しが当然ながら強まっています。メダリストを起用してのプロモーションを企業が行う場合、『東京オリンピック金メダリスト』という代名詞が効果がないどころか、逆にイメージダウンもあり得る状況なのです。間違いなく五輪ブランドの終わりの始まりです」
メダリストをCMで使う場合も、これまでは大会での活躍シーンを流すのが協賛企業の特権であったが、今回はそのことがむしろリスキーになる可能性も。視聴者には、選手のいいイメージと同時に、東京オリンピックの嫌なイメージも喚起させてしまうからだ。