金メダリストのCM起用はイメージダウンに? 広告業界が嘆く「五輪ブランド」終わりの始まり
「CMクリエーターもそのことは分かっているので、映像からオリンピック色を排除して、その選手の個性とか生き方を見せるとか、いろいろと考えるでしょう。無理にオリンピックを前面に押し出すより、その方がまだ訴求力や好感度も上がるでしょうからね」と続けた。
■先進国では反五輪がスタンダード
米国では国民の40%がオリンピックに全く興味がないというデータもあるという。コロナ禍なのに開催を無理強いした日本、東京大会を見て、全くクールじゃないというわけで、反オリンピックこそ、トレンド先進国の米国ではすでにスタンダードなのだとか。
日本は米国の世相や流行に影響を受けやすく、やや遅れて同じムーブメントが国内でじわじわ高まっていくとみられ、そうなれば風見鶏の政治家たちも手のひら返しで「私も東京オリンピックには反対だったんだ」と口々に言い始めるか。そうなると今後、マーケティング業界では「東京オリンピック」が危険なタブー用語になることすらあり得るという。経済効果どころか、国民生活を揺るがす国難を招くとあれば、さもありなん。五輪に群がった政治家も企業も広告業界も、共倒れが見えてきた。