<26>ドン・ファンは初めて会う須藤早貴被告を南紀白浜空港で自ら出迎え
2017年12月10日、須藤早貴被告は1人で野崎幸助さんのところにやってきた。
私はその数日前から、週刊現代の仕事で野崎幸助さんを取材していた。テーマは「ドン・ファンと愛人」で、彼が実際に愛人と会っているところを記事にするというものだった。一連のドン・ファンの記事がヤラセではなくガチンコであることを証明するのが狙いで、この時はドン・ファンから、まだ会う前の早貴被告の写真も見せられていた。
「167センチで21歳ですか」
「モデルだって」
「へえ……」
「モデルったって、食えないモデルはゴロゴロいるからなあ」
ドン・ファンはモデル業界が虚栄に満ちた世界であり、ほんの一握りのモデルしか食っていけないことも知っていたので、モデルに対して大きな幻想は抱いていなかった。
私はというと、必要なのはドン・ファンと愛人のツーショット写真であり、女性の顔にはボカシを入れる段取りになっていたので、早貴被告の顔もプロフィルも取材する必要はなかった。