コロナ無策の菅政権を追い込むワイドショー 厳しい番組は、逆にヌルいのは?
「不安を煽ってばかり」と批判されるが、新型コロナウイルスの情報を幅広く取り上げ、感染拡大の危機を必死に訴えてきたのは、テレビのワイドショーである。来週には東京の新規感染者は1万人を超えそうで、コメンテーターは菅義偉首相の無為無策を批判し、感染症専門家はこの第5波がどこまで広がるのかを予測、リポーターは医療崩壊の現場から伝え、キャスターは「自分の命を守って」と声をからしている。
新型コロナの感染が始まった昨年冬、日本中が「ちょっと重いインフルエンザ」程度に考えていた時に、白鴎大の岡田晴恵教授や池袋大谷クリニックの大谷義夫院長を連日登場させて、「インフルとはまったく違う怖い病気。甘く見てはダメ!」と、いち早く警鐘を鳴らしたのもワイドショーだった。PCR検査をすべての人に実施すべきとキャンペーンを張り、中途半端な緊急事態宣言では感染に歯止めはかからないと指摘、ワクチン確保を急げとも主張した。菅首相はことごとく無視したが、ワイドショーが正しかったことはいまや明らかである。
ではいま、コロナ感染予防に役立つワイドショーはどれか。早くから力を入れてきたテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(午前8時~)に、やはり一日の長がある。お得意の羽鳥パネルの解説は要領よくまとめられていて、全国の感染者が8日連続で1万人を超えた翌日は、コロナ情報に1時間以上割いて、「重症者最多」「把握できない自宅死」「ロックダウン並み対策を」「沖縄は入院中止」などを次々に取り上げた。テレビ朝日コメンテーターの玉川徹が「モーニングショーを見ていらっしゃる方は、危機感を十分もってらっしゃると思います」と自画自賛したくなるのもわかる。