映画「きのう何食べた?」が出足好調! BL作品がエンタメ市場席巻のナゼ
気軽に見られる「おっさんずラブ」や「チェリまほ」だけでなく、見ていて胸が苦しくなるような作品など、その多種多様な振り幅だけでもBL作品と一言でまとめられない奥深さが存在している。ドラマなど映像化される作品は基本的に現実世界の延長線上で描かれることが多いが、日本のBL作品はあり得ないようなファンタジー設定の作品や、アニメや漫画などの二次創作作品、実在する芸能人同士のカップリングを楽しむ「ナマモノ」枠など、とにかく種類が豊富で、それはフィクションであることを前提として作られているからだろう。
しかしだからといって、決してBL作品を愛する「腐女子」や「腐男子」が「市民権」を得ている訳ではないという。そう語るのは腐女子歴11年の30代A子さん。
■BL=LGBTQを描いているとは言い切れない
「どんなにBL作品が話題になったとしても、腐女子は陰日向の存在でよいと私は思っています。話題になっているドラマが好きな人たちは同性の恋愛ドラマを楽しむ感覚でBL作品を見ていると思います。だけどBL作品が好きな人間にとっては陰日向だからこそ存分に楽しめる部分もあるし、腐女子であることがバレてもデメリットしかありません。もちろん話題になる日本のBLドラマはストーリーも面白いし、考えさせられる部分もありますが、やはり大衆向けに作られているなあと思います。ちなみに今タイのボーイズラブ作品が、腐女子界隈でも流行っています。脚本やキャスティングなど、ドラマとして質が高く、同性でありながら互いを愛してしまう過程をとても丁寧に描く作品が多いんです」